vivo第64号 NBRは老年医学の前臨床試験を考え、新規モデルを検討・作製し、試験を進めています

vivo 2013年1月号(第64号)2013年1月1日 業務企画部発行

今から12年後、即ち2025年(平成37年)、日本は人口の約二分の一(48%)が65歳以上の高齢者で占められます。そして生産数は減少し、高齢者は増加するという人口動態はこれから数十年も続くことになります。こうした背景から、高齢者が如何に健全に生きるかという要求が高まり、これまでの何倍もの老年を対象とした医薬品、医療機器、健康食品、食品などの開発の必要性が増してきます。当社では、これまでにも認知症、心筋梗塞、褥瘡など高齢者に多い疾患の前臨床試験を薬効薬理試験の一つとして実施してきました。しかし、その中で学んだのは高齢者の疾患は加齢に伴う生理反応の低下により、複数の疾患や合併症を生じさせ、単一の疾患へ取り組みのみでは不十分であることでした。
そこで、当社では新しい薬理薬効試験や安全性試験を確立し実施してきたメンバーが集まり、「老年医学と前臨床試験」を切り口にしたチームを結成し、まず、老年医学を学ぶことから開始し、その多くの疾患の前臨床試験を立ち上げることで、高齢者疾患予防治療の携わる事業の開発をされている製薬、再生医療、医療機器、食品など幅広い産業分野の会社にお役に立つことを考えました。
そして、老年医学を幾つかの専門分野に分けると共に、老年独特の他疾患への関連性を踏まえた前臨床試験を考え、既に開発・実施している認知症モデル、骨粗しょう症モデル、腎不全モデル、心筋脳梗塞モデル、褥瘡モデルなどは、さらに人への外挿性の高い試験モデルの開拓を進めています。また、85歳以上で死亡原因の1位である肺炎、中でも誤嚥性肺炎モデル間質性肺炎モデル、サルコペニアモデルなど新たな疾患試験分野にも取り組んでいます。さらに、老齢化と共に右肩上がりで増加している腎透析患者を対象としたミニブタを用いた腎透析モデルは腎透析患者の負担軽減や延命を目的として、いろんな産業分野からアプローチした実験を実施しています。
医薬の分野に限らず、事業の役割は時代の変化と共に変わっていきます。当社は、こうした老年医学をキーワードにした前臨床試験からひとりでも多く患者さんや、また一つでも多くの臨床現場で役立つ製品開発に貢献できることを願っています。

「老年医学と前臨床試験を考えるチーム」で携わっている主たる老年疾患

① 脳の疾患
② 呼吸器疾患
③ 心疾患、肝疾患
④ 腎・泌尿器系疾患
⑤ 関節・骨の疾患
⑥ その他

問合先 TEL 058-392-2431
(業務企画部直通)

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