NBR Study Navi 第13号 ミニブタの皮膚について
第13号 2017年10月1日 営業企画部発行
ヒトに外挿できるミニブタの特徴はいくつかありますが、今月号では皮膚に焦点を当ててまとめました。ミニブタの皮膚は外観だけでなく形態的にもヒトと類似点が多く、それ以外にもいくつかの特徴を有しています。弊社で実施可能な試験の紹介と合わせてご紹介します。
動物種の比較(病理・HE染色)
Low magnification
High magnification
皮膚の厚さの比較
厚さ | ||||
---|---|---|---|---|
月齢 | 角質 | 表皮 | 真皮 | |
(months) | (μm) | (μm) | (mm) | |
ゲッチンゲン ミニブタ |
1,5 | ~10 | 50 | 1,15 |
3 | ~10 | 64 | 1,47 | |
6 | ~10 | 63 | 2,28 | |
ヒト | 成人 | ~15 | 70 | 1,20 |
Qvist et al. (2000)
皮下貯留性の比較
【動 物】 ウサギ及びミニブタ【投与物質】 0.1%フルオレセイン溶液
【投 与 量】 0.1mL/site【投与部位】 背部皮下
【観察時期】 投与直後、30分、1時間
ミニブタの皮膚の特徴
・表皮の細胞層が5-6層(ヒトとほぼ同じ)
・皮下組織に脂肪組織がある
・3ヵ月齢ぐらいの皮膚の厚さがヒトの成人に近い
・他の実験動物に比べ毛根が少ない(ヒトに近い)
-アレルギー性皮膚炎モデル-
実験方法
【動物】ミニブタ、4ヶ月齢、雌
【誘発物質】DNFB(ジニトロフルオロベンゼン)
実験スケジュール
皮膚炎スコア
-皮膚欠損モデル-
実験方法
【動物】ミニブタ、6〜10ヶ月齢
【欠損作成部位】背部皮膚
【評価方法】欠損部面積測定
皮膚関連の試験一覧
試験種 | 評価項目 | |
薬理試験 | アレルギー性皮膚炎 | 皮膚炎スコア、病理組織学的検査 |
皮膚欠損傷治癒試験 | 欠損面積、治癒日数、病理組織学的検査 | |
動態試験 | 経皮投与動態試験 | 血中濃度、尿中濃度、角質中濃度、皮膚中濃度 |
安全性試験 | 一般毒性試験 (皮下、経皮、その他/単回、1,3,9ヵ月反復) |
一般状態、BW、FC、尿検査、眼科学的検査、 心電図、血液学的検査、血液生化学的検査、 皮膚炎スコア、病理組織学的検査 |
皮膚刺激性試験(単回、1,3,9ヵ月反復) | 皮膚炎スコア、病理組織学的検査 | |
皮下刺激性試験(単回) | 病理組織学的検査 |