NBR Study Navi 第53号 急性腎障害(AKI)モデル

第53号 2021年2月3日 営業企画部発行

ラットを用いる造影剤腎症モデル

造影剤腎症とは

ヨード造影剤 : 血管造影やCT造影などの画像診断において必要不可欠な体内診断薬
ヨード造影剤の副作用:急性腎障害(AKI)が多数報告
→ 造影剤腎症 (CIN:Contrast-Induced Nephropathy)
造影剤腎症の定義 : ヨード造影剤投与後72時間以内に血清クレアチニン値が前値より0.5mg/dl以上 または25%以上増加する病態 1)

1)腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012日本腎臓学会

スケジュール

<新規腎毒性尿中バイオマーカー>

ウサギを用いる造影剤腎症モデル

造影剤腎症モデルは、通常はラットのモデルが一般的です。しかしこのモデルでは、腎保護作用のあるagmatineがIndomethacinとL-NAMEによって阻害されて薬効発現を示しません。そこで、血管造影下でウサギの腎臓に直接造影剤のみを注入することでAKIモデルを作製しました。このモデルでは、腎保護作用のあるagmatineの効果も認められており、腎保護薬の開発には有効なモデルです。

オンラインセミナーのご案内

 腎臓疾患はその患者数が年々増加傾向にあることから、この数年、取り組む企業が増加し、腎臓疾患に対する医薬品の薬理試験、腎臓関連の医療機器試験が急増しています。それに合わせて当社も精力的に試験開発を進めてきました。腎臓は中枢神経系と同じくらい構造が複雑かつ精緻であり(細胞が多彩)、腎臓疾患に対する特異的な治療薬がないため、活発に研究・開発が行われている領域です。当社では、数々の腎臓関連モデルを取り揃えており、本セミナーが皆様のご研究のお役立ていただければ幸いに存じます。是非ご視聴ください!

日時:3月4日(木) 15:00~16:00
テーマ:「腎臓関連モデル NBR Up to date ~AKIからCKD、透析も~ 」

〈セミナー概要〉
 NBRが提案する腎臓関連の動物試験の中でも、今回は特に虚血性腎障害、アデニン誘発腎障害、ミニブタを用いた透析試験を中心にご紹介させていただきます。
 腎臓疾患は急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)に分けられ、最近ではCKDのリスク要因としてAKIによる腎臓の線維化が認知されつつあります。AKIの代表的な動物モデルとして、腎臓への血流を一時的に遮断する虚血性腎障害モデルをご紹介いたします。
 CKDからさらに腎機能が著しく低下すると末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、異所性石灰化を発症し生命予後に重大な影響を及ぼします。CKDによる異所性石灰化を反映するモデルとして、アデニン誘発腎障害モデルをご紹介させていただきます。
 ESKDの治療には血液透析、腹膜透析、腎移植といった腎代替療法が行われています。当社では、腎臓の構造や生理学的反応がヒトに比較的近いミニブタを用いて透析試験を実施しており、ご紹介させていただきます。

※セミナーの視聴には事前申し込みが必要です。
 申込方法:ホームページまたは、所定の参加申込書
 申込締切日: 2021年3月2日(火)

» 申し込みフォームはこちら

ダウンロードのご案内