第44号 2020年5月11日 営業企画部発行
当社では、数多くの腎不全モデルを有しています。今回は、その中で急性腎不全モデル(AKI)として「ウサギを用いた造影剤腎症」、慢性腎不全モデル(CKD)として「ラットを用いたアデニン腎症」の背景データをご紹介します。腎不全モデルはこのほかにもありますので、お気軽にお問合せください。
ウサギを用いた造影剤腎症
造影剤腎症モデルは、通常はラットのモデルが一般的ですが、ラットの場合、造影剤の静脈内投与前にIndomethacinとL-NAMEを投与することで発症します。しかしこのモデルでは、腎保護作用のあるagmatineがIndomethacinとL-NAMEによって阻害されて薬効発現を示しません。そこで、血管造影下でウサギの腎臓に直接造影剤のみを注入することでAKIモデルを作製しました。このモデルでは、腎保護作用のあるagmatineの効果も認められており、腎保護薬の開発には有効なモデルです。
使用動物
JW rabbit, male (15 weeks old)
群構成
- BYSTAGE® 16 mL/kg i.v.
- BYSTAGE® 16 mL/kg (unilateral 8 mL/kg), 120 mL/hr i.v.
- BYSTAGE® 16 mL/kg (unilateral 8 mL/kg), 240 mL/hr i.v.
スケジュール
右腎臓への造影剤の投与(動脈内)
データ
ラットを用いたアデニン腎症
アデニン腎症モデルは、代謝物のジヒドロキシアデニンが尿細管で結晶化して炎症・閉塞を惹起して腎不全を呈し、ラットではアデニン負荷のみで高リン血症と血管石灰化を併発します。ヒトのCKD患者に生じる骨ミネラル合併症である心不全や石灰化をよく反映しているモデルです。
使用動物
SD rat,male
群構成
- Sham
- Control (High adenine-Low protein)
飼料
High adenine-Low protein: 0.75 % adenine-2.5 % protein
スケジュール
データ
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第44号 ウサギ造影剤腎症とラットアデニン腎症