NBR Study Navi 第72号 各種誘発電位
第 72 号 2022 年 9 月 1 日 営業企画部発行
体性感覚誘発電位( Somatosensory evoked potential, SEP )
三叉神経 SEP ( trigeminal nerve somatosensory evoked potential )を用いた鎮痛効果
【使用動物】
ウサギ( Kbl : JW ) 雄 10 週齢
【試験方法】
イソフルラン麻酔下、左上口唇に設置した刺激電極から電気刺激し、右体性感覚野の電位変化を記録した。 TSEP の測定は、塗布初日を Day 1 として、Day 0、2、4、6、8、11、15 に実施。カプサイシン軟膏の投与は、左側上顎前歯部歯肉に 1 日朝夕 2 回 15 日間塗布した。
【試験結果】
0.075% 軟膏は塗布後 6 日以降 TSEP を抑制した(最大抑制率: 53% )。
0.15% 軟膏は塗布後4日まで TSEP を増強したが(最大増強率 : 35% )、 8 日以降は抑制した(最大抑制率 : 52% )。
Figure 1. Typical diagram of trigeminal nerve somatosensory evoked potential( TSEP ) in rabbits. TSEP amplitude was calculated by decreasing P12 from N10.
▲ = stimulation
Figure 2. Effects of capsaicin ointment on TSEP.
聴性脳幹反応( evoked auditory brainstem response, ABR )
硫酸カナマイシンの聴覚毒性評価
【使用動物】
ミニブタ(Göttingen 、 オリエンタル酵母) 雄 5 ヵ月齢
【試験方法】
メデトミジン・ミダゾラム麻酔下、両耳にヘッドホンから音刺激し、聴覚野の電位変化を記録した。 ABR の測定は、投与前、投与 開始 1、 2、 3、 6 及び 10 週に実施。硫酸カナマイシンの投与は、 1 日 1 回 100mg/kg を静脈内に 10 週間投与した。
【試験結果】
硫酸カナマイシン 100mg/kg の反復静脈内投与は、投与開始 3 週から 音圧閾値の上昇が観察されて、聴覚毒性が認められた。
Figure 3. Typical of evoked auditory brainstem response ( ABR ) in Göttingen miniature pigs.
Figure 4. Threshold changes in ABR in miniature pigs prior to and during 10-week administration of kanamycin ( 100mg/kg, i.v.).
視覚誘発電位( Visual Evoked Potential, VEP )
肝性脳症モデルの視覚障害
【使用動物】
イヌ( TOYO ビーグル) 雄 10 ヵ月齢
【 VEP の測定方法】
キシラジン麻酔下、トロピカミド・塩酸フェニレフリンを 2~3 滴点眼し十分に散瞳させた後、フラッシュ刺激を行い、視覚野の電位変化を記録した。肝性脳症モデルの作製前と作製後で VEP を比較した。
Figure 5. Typical diagram of visually evoked potential ( VEP ) in dogs.