vivo第84号 腎不全・透析モデルのご紹介
vivo 2014年9月号(第84号)2014年9月1日 業務企画部発行
当社では各種動物(マウス、ラット、ウサギ、ネコ、ミニブタ)を用いた虚血性急性腎不全モデルの試験が可能です。ヒトに近い構造を示すミニブタの腎臓に腎障害を発現させることによって、透析の評価も実施可能です。また、この他に各種腎不全モデル取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。
1.虚血性急性腎不全モデル ―動物種による腎障害の違い―
《マウス》
《ラット》
《ミニブタ》
《ネコ》
《ウサギ》
各種動物のBUN/CRE
BUNは、CREに比べて腎臓以外の因子(腎外性因子)による影響を受けやすいため、BUN/CREを調べる場合があります。一般にヒトにおいて、BUN/CREはおよそ10:1です。
正常時 | |
ヒト | 10 |
ミニブタ | 11.10±1.79 |
マウス | 275.04±20.43 |
ラット | 38.20±20.43 |
ネコ | 33.63±6.02 |
ウサギ | 23.86±4.47 |
※加藤嘉太郎,山内昭二:新編 家畜比較解剖図説(抜粋)
ラット一側腎尿管結紮(UUO)による線維化モデルも実施可能です。
ラット腎臓中のHydroxyproline量→
2.ミニブタ慢性透析モデル
ミニブタの両腎を摘出し透析を繰り返すことで、ヒトの透析患者が呈する様々な症状(血圧の上昇、血管の石灰化、リンの上昇など)を外挿できるモデルを確立しました。
試験方法
【動物】ミニブタ(NIBS系、両腎摘出モデル)
【透析条件】
透析装置:個人用透析装置
(ニプロ株式会社)
透析間隔:2日に1回
透析期間:30日
試験成績
【透析の効率】
【Ca拮抗薬併用による血圧上昇抑制の効果】
【病理所見】
血管の石灰化
左冠状動脈(円錐傍室間枝)
HE染色及びコッサ染色
【リンの変化】
【エリスロポエチン投与による貧血予防の効果】
お知らせ
エコー導入しました!!
この度、高性能なデジタル超音波診断装置(HI VISION Preirus)を新規購入しました。この機器を用いて、マウスからミニブタまで、体内組織や器官の機能を非侵襲的かつ経時的に観察することができるようになりました。
今後、循環動態の測定はもちろんのこと、各種動物の皮膚の暑さ、血流量や体内組織の形状・硬さなど、医薬品や医療機器の試験の中で、この機器ならではの目的に応じた評価を実施して行きます。
ダウンロードのご案内
VIVO9月号(第84号)紙面のPDFファイルは こちら よりご覧いただけます。