第 83 号 2023 年 8 月 1 日 営業企画部発行
「歯周炎」とは歯周病原性細菌の感染による疾患であり「歯肉炎」と決定的に異なるのは歯槽骨を吸収することです。歯肉炎や歯周炎を含めた歯周病は、歯を喪失する大きな原因となっています。
今回はラット及びイヌでの「歯周炎モデル」をご紹介します。
小動物を用いた歯周炎モデル
使用動物 : ラット( Slc:Wistar )、雄、5 週齢
試験方法 : 上顎の大臼歯にカラゲニンを浸漬した縫合糸を結紮して留置し、
1 週間に 1 回カラゲニンを塗布する。3 ~ 4 週間後に摘出する。
ラットのマイクロ CT 画像(左:無処置、右:結紮 + カラゲニン)
結果 : 縫合糸の結紮とカラゲニンの塗布により、歯槽骨の低下が認められた。
大動物を用いた歯周炎モデル
使 用 動 物 : イヌ(ビーグル)、雄、22 ヵ月齢
モデル作製 : 下顎の小臼歯に縫合糸を結紮して、8 週間飼育する。
評 価 方 法 : 歯周ポケット検査〔歯周ポケットの深さ、Bleeding on probing(BOP)〕
歯周ポケット検査
観察時期 |
歯周ポケットの深さ(mm) |
BOP |
モデル作製前 |
1 ~ 2 |
- |
モデル作製後 8 週 |
2 ~ 4 |
+ |
結果 : 歯垢の沈着が認められ、モデル作製後 8 週で歯周ポケットの深化と BOP が確認された。
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第83号 歯周炎モデル